東洋医学の特長「本治と標治」
東洋医学では表面的な症状を治すことを標治、本当の原因を治すことを本治といいます。
標治だけでなく本治を行うことが東洋医学治療の特長です。
例えば肩こりがあるときに肩こりだけ治そうとするのは標治です。
本治とは体内の「虚と実」のバランスを調整して、自分の力で自然治癒できる状態にすることです。
虚とは不足している状態、実とは逆にパンパンになっている状態です。
健康な状態であれば一時的に肩こりが生じても自然にもとの状態になります。
「虚と実」のバランスが崩れていると肩こりが自然に治らずどんどんたまっていきます。
そのため、凝っているところを揉んで、一時的に軽くなってもまたすぐに肩こりになってしまいます。
それを根本から調整していくことが本治です。
その際に重要になるのは気血の通り道を正常な状態にすることで、この通り道を東洋医学では経絡といいます。
そして経絡上の代表的な場所が経穴、いわゆるツボです。
虚実を調整する補法と瀉法
東洋医学では経絡が「虚か実か」を見ながら、「実」に対しては瀉法、「虚」に対しては補法という治療法で調整していきます。
概ね、鍼治療は瀉法、温灸は補法、強もみのマッサージは瀉法、やさしい指圧は補法です。